慣らし期間を終え、快晴の11月9日に奈良ツーリングに行きました。まずは御在所SAにて。
今回このツーリングに備えて早くも手を入れました。純正のままだとクラッチが私には重く、高速道路の渋滞に耐えられません。
そこでこのパーツを購入。レリーズアームとワイヤーガイドの延長キットを装着しました。
このVスト250はアーム延長に適した構造でしたから、この措置でスリッパークラッチ並みの軽さになりました。ただし、クラッチレバーのストロークが2cm長くなり、握り幅が広くなりますが、許容範囲です。
快晴かつ快適な高速走行を経て奈良県の高峰。下界に奈良市街を臨む絶景です。
駐車場にて。料金100円で詰所横に停めますから、安心して駐車できます。
さあ、薬師寺!拝観料1000円。ワクワクしますねえ。
今回のツーリング動機は今夏放送されたNHKのプロジェクトXに感動したからです。
専属宮大工の石井浩司さん。矢沢永吉ファンで愛妻家、頑固一徹な職人さんです。東塔解体修理完成を前に亡くなられた奥様の為に、乾坤一擲の大仕事を成し遂げられ、昨年落慶法要(大修理完了)。
たまたま薬師寺東塔が特別開扉期間中で、この機会を逃さないよう計画していました。
境内に入り左手に西塔がそびえます。1981年再建時も大きな話題になりました。
1970年再建の金堂。国宝薬師三尊象が本尊。
そして、いよいよ白鳳建築の粋、東塔です。大修理後の威容が眩しいくらいです。
大勢の方が訪れています。内部は釈迦の生涯を東西南北四面の彫刻で表現しています。撮影禁止なので薬師寺公式ホームページから借用します。なお、石井さんが最も注力した心柱(しんばしら)は残念ながら見ることはできませんでした。
どこか西洋風のお姿でしたが、仏教の教祖の深遠さが伝わる作品でした。
東塔は一見六重塔に見えますが、この3箇所のマーキング部分の裳階(もこし)という装飾が施された三重塔です。あまりに均整の取れた建築美は「凍れる音楽」と評されています。
塔の頂上部にある法輪。
その最上部にある水煙には飛天の舞う姿が表現されています。肉眼では見えない細部にまで心血を注ぐ古の巧たちの偉業です。
東回廊。朱色の美しい空間を歩くと、あたかも奈良時代を歩いているかのようです。
朝堂院、有名な聖観音像が祀られています。
1852年に再建された大講堂、弥勒三尊象が祀られています。美しい建築ですねえ。
大講堂西では発掘調査が行われていました。
1300年前の回廊や鐘楼跡が発見されたそうで、参拝客にも丁寧に説明していただけました。
右下の地図の赤い部分が今回の発掘調査箇所とのこと。
いつか、ここにも素晴らしい再建が実現するといいですね。
名残惜しいのですが、帰路につきます。最後に北からの東塔、どこから見ても素晴らしい古代建築ですね。
薬師寺参道にある休ヶ岡(やすがおか)八幡神社、薬師寺を南から守護。有名な僧形八幡神象が祀られています。
無事、薬師寺見学を終え、名阪国道から伊勢湾岸道へとVスト250で帰ります。高速道路主体でしたが、フロントスプロケを1丁上げておいたので、ロングストロークのこのバイクも十分高速道路で力を発揮。
全行程を振り返り、このバイクがベストセラーとなったのがよくわかりました。日本人が日本の四季を過不足なく楽しめる丁度いいバイク。静かでレスポンスの良い2気筒エンジン。速度センサーがリアホイールにあるため、ユーザーが自由にスプロケを交換できる使い勝手の良さがあります。
また、車重191kgというニーハン離れした重さがネックとよく批判されますが、高速道路中心のロングツーリングでは逆にメリットでした。横風に強く、直進安定性が確保されているからです。私は長くVスト650に乗りましたが、高速走行中は乗り心地は650も250もあまり変わりませんでした。
購入2ヶ月の感想としては、Vスト250は日本での旅バイクとしてとても良く出来たバイクだということです。排ガス規制の絡みで生産終了の噂もありますが、ぜひ末永く日本市場にいて欲しいバイクです。
今回の走行距離426km、燃費36.6km/L
行程の8割が高速道路で、一般道もほぼ渋滞していてこの燃費、17リットルのビッグタンクで航続距離は600km。アッパレ!