ちぇすとー!

しょぼくれライフのセカンドブログです。ここでは衝動買いした2007年ST250Eを扱います。

感動した!ST250E

 スズキのSTといえば、ボルティー後継のクラシカル。スズキ党でなくても、クロームメッキを多用した美しいスタイルに、軽快な走りを備えたバイクだとの評価はありました。しかしメグロジュニアをオマージュしたエストレアにすっかり人気が集中し、一部のファンしかその価値を知らないバイクです。

 が、私はその中古車をあえて当該新車価格相当で買うことにしました。コロナ禍以前なら考えられない高値ですが、それでも現在の相場よりはかなり安いのです。

 昨日、たまたま立ち寄ったレッドバロンでその中古車と遭遇。2007年式キャブ車の15年落ち、錆びだらけで当然の中古車のはず。ところが見た目には、全く錆びも傷もないまるで新車のようにピカピカ。店頭で私は新車と見間違えたほどです。前オーナーが精魂込めて15年間磨き続けてきた愛車なのでしょうか。

 驚いたのは外見だけではありません。走行距離を見てさらにビックリ、何とたったの530km!どういうことだろう?何なんだ!ひょっとしてメーター交換車か?店長さんに聞くと、専用ガレージに相当数保有するバイクマニアの御仁が、娘さんの為に購入したのがこのバイク。が、ご当人があまり乗らないまま月日が流れ、とうとう不動車となって数年、ついに手放された由。どおりで極上の美車でありながら、格安だったわけです。

 店長さんの説明では通気性の良いガレージで長期間保管されたことで、新車の外観をほぼ維持し続けられたのではとの事。不動車となったのは残念でしたが、それにしても車体の外見は完璧です。タンクのカラーは瑞々しいほどに鮮やかで、ライト・メーター・エキパイ・マフラー等クロームメッキ面さらにブレーキディスクなど細部に至るまで全く錆びがなく、スポークの1本々が錆びはおろか変色すらしていないのです。まるで換骨奪胎、古びたパーツを全て新品に換装したかのような車体。その上、車体4箇所に配されたカラーは私好みのブルー(藍色)で刺さるような美しさ、私の目は釘付けになりました。

 不動車を高値で売るための前オーナーさんまたはお店のプロによるブラッシュアップだったのかもしれませんが、そうだとしても素晴らしい「職人技」です。まるで2007年からタイムスリップして現れたかのような見事な車体。常識ではありえない奇跡の美しさにいたく感動しました。私は傍らの店長さんに思わず「参りました!」と感嘆の声を上げたほどです。

 クラシカルやネオクラシックが若い層にも広がり、本来なら低評価の中古車も高値がつくようになりました。絶版となったエストレアやSRが拍車をかけたそのブームのお陰か、ようやくスズキのSTにも光が当たり始めました。前オーナーさんもその好機を逃すまいと手放されたのでしょう。今回、私はその美車の輝きに一目惚れ、その日のうちに購入を決めた次第です。約50年のバイク生活で初めての衝動買いでした。

なにぶん、15年も経った超低走行の不動車。外観とは裏腹にタンク内は錆び、キャブレターは詰まり、スロットルは固着、タイヤも2007年装着のまま、あちらこちら劣化しています。レッドバロンの納車前整備ではキャブ分解清掃での始動復旧、タンク交換、劣化したタイヤやオイルの交換等で実質的には準レストアに近い作業が代金に含まれています。

 しかし、納車後は年式相応の修理代が相当程度嵩む可能性があり、けっして安い買い物ではなくなってしまうのでしょうが、老いてもライダーたるもの、損得勘定よりも自らの直感やパッションを信じたいですね。店長さんからは「まだまだお若いですね」と、意味深な言葉をいただきました(笑)

自分ではラッキーな掘り出し物だと歓喜したわけですが、客観的には低年式低走行で、ましてや不動車ともなればリスキーな中古車です。そこで今回の衝動買いが、乗って心地良くフクピカも楽しい充実したSTライフとなるのか、それとも早々に売却したくなる見てくれだけの骨董品だったのか、ST250Eに特化したレポートを、ここに綴りたいと思います。酔狂な老ライダーの戯れ言ブログのスタートです。

 今回ご訪問いただきありがとうございました。ぜひ次回以降もお気軽にご笑覧下さい。納車は来月中旬、さあて、どうなりますことやら。